窃盗癖・依存症の可能性がある事件ついて

弁護人は裁判での最善の結果を目指します。それは被告人の最善の生き方を考えることでもあります。

刑事弁護をしていて、犯罪を繰り返してしまう人に出会うことは珍しくありません。

どうしてここに至るまでに止められなかったのか、これを最後にするためにはどうすればいいのか。本人の決意や家族の協力はもちろん大事ですが、それだけでは上手くいかないからこそ繰り返されてしまったのです。いったい何が必要なのでしょうか。

残念ながら、弁護人がすべての答えを持ち合わせているわけではありません。

それを自覚しているからこそ、我々は依頼者の状態に合う専門機関と連携をとります。出来るだけ家族にも参加していただいて、再犯防止のための具体的なプランを考えます。

再犯の防止に必要なのはやみくもな決意ではありません。信頼できる専門家の構築した具体的なプランを完遂する決意が必要なのです。一人だけでは、時には挫けそうになることもあるでしょう。そのためには、支えてくれる人(家族や福祉専門職など)が必要なのです。

これはそのまま、速やかな社会復帰を求めるために、刑事裁判で弁護人が行うべき主張とも重なります。